【7月27日 AFP】アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は26日、同国南部で北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)主導の国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)が発射したロケットが民家に着弾し、民間人52人が死亡したと発表した。一方、ISAF側は証拠はないとして強く異議を唱えている。

 アフガニスタン国家保安局(National Directorate of SecurityNDS)の調査によると、事件は23日、同国南部ヘルマンド(Helmand)州サンギン(Sangin)地区のRegey村で発生。犠牲者の中には女性や子どもも含まれているという。

 カルザイ大統領は、遺族に対し電話で弔意を伝えるとともに、NATOに対しては軍事作戦による民間人の被害を防ぐためのあらゆる手段を講じるよう求めたという。

 一方のISFA側は、事件への関与をくりかえし否定。26日夜にも、アフガニスタン政府との合同調査ではこれまでのところ、民間人が死傷したとの証拠はないと強調した。

 ISAFは、ヘリコプターや精密誘導ミサイルを使用した攻撃によって、旧支配勢力タリバン(Taliban)司令官を含む武装勢力6人を殺害したとの声明を発表している。

 24日の報道によると、ISAF部隊との戦闘が迫っているとして武装勢力に自宅を離れるように命令された村人たちが、武装ヘリコプターの攻撃を受けたとされている。(c)AFP/Lynne O'Donnell