【6月9日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)近郊の道路沿いで9日未明、アフガニスタンに駐留する北大西洋条約機構(NATO)主導の国際支援部隊へ物資を輸送する車列が武装集団に襲撃されて炎上し、少なくとも7人が死亡した。 

 襲撃があったのはパキスタン北西部ペシャワル(Peshawar)に向かう幹線道路沿いにあるターノル(Tarnol)補給所で、イスラマバードからこれほど近い場所での襲撃は前例がない。幹線道路はペシャワルを超えて隣国アフガニスタンにつながっており、国際支援部隊の物資運搬にも使用されている。

 地元のテレビは、襲撃によって炎上し金属の車枠だけとなったタンクローリーやトラック、輸送されていた軍用車両の残がいの映像を放送した。

 地元警察によると、武装集団は10人から12人ほどのグループで、補給所に止まっていた車列を急襲して逃走したという。これまでに運転手や地元住民ら7人の死亡と4人の負傷が確認された。襲撃者の身柄は確保されておらず、炎上したタンクローリーやトラックの正確な台数も明らかにされていない。

 今のところ、犯行声明は出ていないが、アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)によるとみられる同様の襲撃は過去にも起きている。

 アフガニスタンでタリバンの掃討作戦に従事する駐留米軍や国際支援部隊向けの物資輸送車が襲われたのは初めてではないが、厳重な警戒体制が敷かれているパキスタンの首都近郊で起きた襲撃事件としては過去最悪の規模となった。(c)AFP/Sami Zubeiri