【6月6日 AFP】イスラエル海軍は5日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に向かっていた支援船の第2陣「レイチェル・コリー(MV Rachel Corrie)」を拿捕し、約5時間後にイスラエル南部のアシュドッド(Ashdod)港に入港させた。

 イスラエル側は、アシュドッドの北西約21カイリ(約39キロ)の公海上で合意のうえで船に乗り込んだのであり、強襲したのではないとしている。支援船には乗員8人とパレスチナを支持する活動家11人が乗っていたが、同船に乗り込んだ軍の要員は一切抵抗を受けなかったという。

 作戦はイスラエル海軍の船艇が支援船を包囲した上で、日の出の直後に始まった。作戦開始直後にすべての通信が途絶した。作戦で負傷者は出なかった。

 レイチェル・コリーは支援物資約1000トンを積んでいた。そのおよそ半分は、防御に使われることを恐れてイスラエルが禁止しているセメントだったとの情報もある。

 イスラエル入管当局の報道官は、支援船に乗っていた全員を尋問した後、なるべく早く国外に追放すると語った。

 一方、アイルランドのダブリン(Dublin)に本拠を置くパレスチナ支援団体「Ireland Palestine Solidarity Campaign」は、イスラエルが支援船を「ハイジャックして乗員らを誘拐した」と発表した。

 イスラエル海軍の特殊部隊が5月31日ガザ地区に向かっていた6隻の支援船団を強襲してトルコ人活動家ら9人が死亡したことを受け、イスラエルが国際的に孤立しているなかの拿捕となり、5日には欧州など世界各地で抗議が行われた。トルコのイスタンブール(Istanbul)の集会には推定で1万人が集まった。(c)AFP