【5月26日 AFP】ジャマイカの首都キングストン(Kingston)で、警察当局とギャング組織との間の銃撃戦が激しさを増し、これまでに民間人を中心に少なくとも62人が死亡している。医療関係者が25日、明らかにした。

 この銃撃戦の発端は、ギャング組織の最高幹部、クリストファー・コーク(Christopher Coke)被告(42)を拘束するため、治安部隊が24日にキングストン西部のスラム街ティボリ・ガーデン(Tivoli Gardens)に突入したこと。

 コーク被告は、米国から麻薬取引の罪で引き渡しが要求されており、ジャマイカ政府は前週、引き渡しに合意していた。その後、1週間にわたってコーク被告の支持者との緊張状態が続いていた。

 ブルース・ゴールディング(Bruce Golding)首相は23日、非常事態を宣言。治安部隊が法と秩序を回復すると強調している。

 一方、銃撃戦はキングストン一帯に拡大し、街は戦場さながらとなっている。現地のAFP記者は、トラック3台に積まれた幼児を含む多数の遺体が病院の遺体安置所に運ばれているのを目撃している。

 警察当局はこれまでに、女性4人を含む211人を拘束しているが、コーク被告が含まれているのかは不明。

 コーク被告は有罪が確定すれば終身刑となる見込み。だが、支持者によると、住民の家賃援助を行ったり、子どもたちを学校に行かせたりするなど地元では英雄扱いだという。コーク被告も自らを単なるビジネスマンだとしている。(c)AFP/Ratiba Hamzaoui and Anthony Foster