【3月14日 AFP】(一部更新、写真追加)アフガニスタン南部のカンダハル(Kandahar)で13日午後8時(日本時間14日午前0時30分)ごろ、刑務所や警察本部などで連続して爆発が発生し、警察官や市民ら35人が死亡、57人が負傷した。

 警察情報によると、爆発があったのは州刑務所、モスク、州警察本部や、以前にカンダハル州知事を務めていたナンガルハル(Nangarhar)州知事の自宅近くなど、市内の5か所。自転車やオートバイによる自爆攻撃とみられる。連続爆発事件について、英国放送協会(BBC)テレビはアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が犯行声明を出したと報じた。

 爆発があったモスク近くにはハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領の弟で、カンダハル州議会議長のワリ・カルザイ(Wali Karzai)氏の自宅もある。内務省報道官は主に刑務所を標的とした連続爆弾攻撃とみられると述べた。カンダハルでは2008年6月、自爆攻撃で刑務所の門が破壊され、タリバン受刑者約1000人が脱走する事件も起きている。

 AFP記者によると、爆発の衝撃で市内の広い地域で建物のガラス窓が割れたという。

 米国などは今年8月までにアフガニスタンの駐留兵力を12万1000人から15万人に増やし、増派分のほとんどを情勢不安定なアフガニスタン南部に展開する方針を明らかにしている。新戦略のもとで最初の大規模な作戦がカンダハル州に隣接するヘルマンド(Helmand)州で実行されており、米軍幹部はカンダハル州内のタリバンの拠点を対象にした作戦も近く実施すると語っている。(c)AFP