【1月28日 AFP】ナイジェリア・プラトー(Plateau)州の州都ジョス(Jos)周辺で前週起きた、死者数百人を出したキリスト教徒とイスラム教徒の衝突で、携帯電話のショートメッセージ(SMS)が騒乱をあおっていた事実が明らかになった。警察が現在、メッセージの出所を捜査している。警察と人権団体が26日、それぞれ発表した。

 国内の人権団体で作る連盟によると、ジョスでは、「デマを広め緊張をあおることを目的とした」SMSが少なくとも145通、送信されていたことが確認された。一部のメッセージでは、殺害方法や遺体の捨て方、焼却方法などが指示されていたという。

 こうしたメッセージの中には、「戦争だ、戦争だ、戦争だ。立ち上がれ。そして殺られる前に殺れ。虐殺される前に虐殺せよ。埋められる前に埋めよ」というものや、キリスト教徒と教会への襲撃計画を警告しつつ「兄弟よ、できることを行動に移してくれ。他の同胞にも知らせるんだ」などというものがあった。

 イスラム教徒の行商人が売った食べ物に毒が入っている可能性があると警告するキリスト教徒向けのメッセージや、片方の宗教の信者を脱水症状で弱らせるため、政治指導者らが断水を計画しているという内容もあった。

 人権団体は、「暴力がエスカレートした背景には、これらのSMSの存在があった」と指摘している。また、これより規模は小さいが、フェースブック(Facebook)などのソーシャルネットワークサービス(SNS)でも、衝突をあおる書き込みがあったという。

 4日間続いた衝突では、少なくとも326人の死亡が確認されている。ジョス近郊のクルカラマ(Kuru Karama)村では、イスラム教徒の村人150人以上が殺害され、井戸や下水管、かんがい用水路に捨てられたり、焼かれたりした。教会やモスクへの放火も相次ぎ、地元関係者らは死者は550人を超えるとの見方を示している。(c)AFP/Susan Njanji

【関連記事】ナイジェリアの宗教間衝突、井戸から多数の遺体
【関連記事】宗教間の衝突で死者300人、ナイジェリア