【1月23日 AFP】英政府は22日、爆弾検知機として販売されている同国企業ATSC製の「ADE651」について、イラクとアフガニスタンへの輸出を来週から禁止すると発表した。

 ADE651は火薬や薬物などの物質の有無を、離れた場所から検知できるとされている。しかし、英国放送協会(BBC)がその有効性に疑問符を付けたのをきかっけに、政府が試験を実施し、民間企業・規制改革担当省が「ADE651および類似装置に使用されている技術は爆弾の検知に適していない」との判断を下した。輸出当局とピーター・マンデルソン(Peter Mandelson)民間企業・規制改革担当相の承認を得て、来週から禁輸措置をとるとしている。

 ただ、ADE651は正式には軍需品ではないため、輸出に承認は必要ない。同省は「ADE651が爆弾検知機として利用されていることは間違いなく懸念すべきこと」とした上で、禁輸措置は「英国とその友好国が危害を受けないようにするための措置」として、対象をイラクとアフガニスタン向けの輸出に限定した理由を説明した。

 ADE651については、イラク軍が大量に購入したと報じられている。在イラク英国大使館はイラク政府に懸念を伝えるとともに、ADE651が爆弾検知機としてイラク軍に販売された経緯などについての調査に協力する意向を示したという。(c)AFP