【1月15日 AFP】パキスタンで14日、米国の無人機がミサイルを発射して10人を殺害したが、米国はこのほかにも陸と空で無人兵器を導入している。その概要をまとめた。

■無人軍用機

・MQ-1 プレデター (PREDATOR
プロペラ推進の無人機で連続24時間、高度7620メートルまで上昇できる。巡航速度は時速約36キロ。ビデオカメラとレーダーでとらえた情報を数千キロ離れた管制室に送る。

 当初偵察目的で開発され、イラクとアフガニスタンで非常によく使われた。全長約8メートル、翼幅約14メートルでセスナ(Cessna)機よりやや小さい。ヘルファイア(Hellfire)対戦車ミサイル2発を搭載する。製造はジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(General Atomics Aeronautical Systems)。

・MQ-9 リーパー(REAPER
プレデターより大きく、全長約11メートル、翼幅約20メートル。精密誘導爆弾とヘルファイアミサイルを搭載できる。時速100キロの巡航速度で高度1万5240メートルまで到達できる。製造はジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ。

・RQ-4 グローバル・ホーク(GLOBAL HAWK
冷戦期のU2偵察機の後継として開発された無人ジェット偵察機。高高度から最先端のセンサーとカメラで偵察する。最高で連続35時間の飛行が可能で、最高高度は1万8288メートル、最高時速は約175キロ。製造はノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)。

・RQ-11 レイヴン(RAVEN
全長約1メートル、重量1.9キロ。小型なので兵士が背負って運び、手で空に放って小高い山などの陰に隠れて見えない敵の映像を上空から撮影することができる。連続80分の飛行が可能で、最高時速は約27キロ。2004年に始めて配備された。製造は米エアロバイロメント(Aeroenvironment)。

■陸上軍用ロボット

・パックボット(PAKBOT)
カメラとセンサー、ロボットアームを備えた軍用ロボット。アニメ映画『ウォーリー(Wall-E)』に登場するロボットに似ている。キャタピラで階段や岩場を走破できる。大きさの違ういくつかのタイプがあり、重量は6~20キロ。軍用無人機と違って自動運転はできないため、必ず兵士が遠隔操作する必要がある。イラクやアフガニスタンで爆発物の捜索と除去に使われた。製造は米アイロボット(iRobot)。

・ソーズ(SWORDS
特殊武器観測遠隔直接行動システム(Special Weapons Observation Remote Direct-Action System)の頭文字をとったもの。M16ライフル、機関銃、ロケットランチャーを搭載している。これまでに3台製造されたが技術的な問題が残っているとされる。米陸軍がイラクで偵察と護衛に使用したものの、戦闘で武器を使用したことはないとされる。製造は米フォスター・ミラー(Foster-Miller)。

・ミュール(MULE
多機能ユーティリティ/ロジスティクスおよび装備(Multifunction Utility/Logistics and Equipment)の頭文字をとったもの。米軍が開発中の陸上ロボット。軍用車ハンビー(Humvee)ほどの大きさで、対戦車ミサイルと機関銃砲塔を備えている。人間のオペレーターが遠隔操作しないかぎり発砲しない。実戦配備は2014年の予定。(c)AFP