【1月14日 AFP】米軍は14日、アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)のパキスタン国内のグループを無人機で攻撃し、10人を殺害した。だが、その指導者とされるハキムラ・メスード(Hakimullah Mehsud)司令官は攻撃を逃れた。

 同司令官死亡の可能性を伝えた報道を否定する形で、米軍の攻撃を受けたイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」が発表した。

 米軍が狙ったのは、アフガニスタンと国境を接し、無法状態となっている北西部の部族地域にあるTTPの戦闘訓練キャンプ。南ワジリスタン(South Waziristan)地区との境界に近い北ワジリスタン(North Wazirista)地区のPasalkot村にあった。部族地域に対する米軍の攻撃は1月に入り、7回目。周辺ではパキスタン軍がタリバンの戦闘員らと戦っている。

 当初、地元の各テレビ局は、死者のなかに8月からTTPを率いているメスード司令官がいた可能性があると報じていたが、AFPが取材したTTPの広報担当者によると、キャンプはミサイルで攻撃されたが、同司令官は攻撃開始前に現場から去っていた。

 地元の情報筋は、米軍の無人機による攻撃があったことを認め、少なくとも10人が死亡し、その大半はTTPの戦闘員だったと語っている。(c)AFP/Lehaz Ali