【10月18日 AFP】(一部更新、写真追加)パキスタン国境に近いイラン南部シスタンバルチスタン(Sistan-Baluchestan)州ピシン(Pisheen)で18日、精鋭部隊である革命防衛隊(Revolutionary Guards)の会議前に男が自爆した。革命防衛隊によると防衛隊指令官7人やイランの部族指導者、民間人を含む31人が死亡し、25人が負傷した。

 同日夜、イスラム教スンニ派武装組織ジュンダラ(Jundallah、「神の兵士たち」の意)が犯行を認めた。

 事件が発生したシスタンバルチスタン(Sistan-Baluchestan)州には、イランでは少数派でパキスタンでは多数派となるイスラム教スンニ派の住民が多い。

 現場となった地元の体育館では当時、シーア派とスンニ派の地元部族の長たちが同日一堂に会する予定だった会議を準備していた。

 アリ・ラリジャニ(Ali Larijani)イラン国会議長は同日、「今回のテロリスト攻撃は米国の行動によるものだとわれわれは考える。わが国に対する米国の敵意のしるしだ。オバマ米大統領はわれわれに手を差し伸べようなどと言ったが、このテロリスト作戦によって彼は自らの手を焼いたのだ」と発言し、米国が関与していると非難した。

 革命防衛隊も外国政府が関与しているとの見解を発表し、「世界のごう漫な国が、あの地域にいる彼らの追従者や傭兵をたきつけ、わが防衛隊と部族長らの大会議に対するテロリスト攻撃を実行させたのだ」と述べた。イランの高官や政府の機関の一部では、欧米の大国を呼ぶときに「世界のごう慢な国」という言葉を使うことがある。

 一方、シスタンバルチスタン州の州都ザヘダン(Zahedan)の検察官は同日、まだ誰も拘束していないが、アブドルマリク・リギ(Abdolmalek Rigi)氏が率いるスンニ派武装組織ジュンダラが犯行を認めたとイラン学生通信(ISNA)に語った。同組織はパキスタン、アフガニスタン両国と国境を接している同州で過去にも同様の攻撃事件を起こしている。(c)AFP/Jay Deshmukh and Farhad Pouladi