【10月18日 AFP】パキスタン軍は17日、武装勢力の拠点になっている同国北西部の南ワジリスタン(South Waziristan)地区で大規模な掃討作戦を開始した。

 作戦は数か月かけて計画され、政府の命令を受けて開始された。作戦には航空機や重砲も参加している。匿名の地元当局者がAFPに語ったところによると、山岳森林地帯のSharwangiSpinkai Raghzaiでは大型火砲が武装勢力の拠点を砲撃し、激しい戦闘が行われ、少なくとも兵士5人が死亡した。軍によると、Sharwangiで激しい抵抗を受けたが、Spinkai Raghzaiを制圧し3か所に検問所を設置したとしている。

 8月以降、人口約60万人の南ワジリスタンから約9万人の民間人が避難している。当局者によると避難民の数は2倍以上に増えるおそれがある。

 パキスタンは2002年から同国北西部で繰り返し掃討作戦を実施し、約2000人の兵士が死亡したが、大きな成果は得られていなかった。10日に首都イスラマバード(Islamabad)近郊のラワルピンディ(Rawalpindi)で軍の総司令部が襲撃されるなど、10月に入って武装勢力の攻撃が相次ぎ、パキスタン・タリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)が犯行声明を出していた。

 地元のテレビ局は、軍は目的を達成するまで作戦を継続するとの軍報道官の発言を報じ、それには6~8週間かかるだろうとの見通しを伝えた。複数の軍幹部は速やかに作戦を進め、冬季の激しい降雪が始まるまでに作戦を終えたいとしている。(c)AFP/S.H. Khan