【10月8日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のアブヤヒヤ・リビ(Abu Yahia al-Libi)幹部が、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のイスラム教徒らに対し、中国政府に対する「ジハード(聖戦)」に立ち上がるようインターネット上で呼び掛けた。

 インターネット上を監視している米民間情報機関サイト(SITE)によると、ビデオはイスラム教徒向けのあるウェブサイトに投稿され、紅白のチェック柄のターバンとベストを身につけたリビ氏が「今日のイスラム教徒にとって、傷つき、不当な扱いを受けている東トルキスタン(East Turkestan)の兄弟たちのそばに寄り添うことは義務である」とウイグル自治区に対する支持も呼び掛けた。アルカイダはイスラム教徒が多いウイグル自治区を指すときに東トルキスタンという呼称を使う。

 またリビ氏は「トルキスタンのムスリムの兄弟たちに知らせよう。救済を得る道、抑圧や不正を取り除く道は、自分たちの信仰に立ち返り、最大の努力をもってその信仰と結びつくこと以外にない。つまりジハードを真剣に準備することだ」と述べ、さらに「無神論者の中国による植民地化」によって中国国内で起こっていることに対する意識を高めるために、メディアを利用した運動を立ち上げるべきだとイスラム教徒に説いた。

 特にトルコ系イスラム教徒のコミュニティは差別を受けているが、中国の共産党政権は、アフガニスタンでイスラム教徒の戦闘員たちによる強烈な反撃に遭った旧ソ連と、同じ運命をたどるだろうとも語った。

 英国の民間情報会社「スターリング・アシント(Stirling Assynt)」によると、北アフリカを拠点とするアルカイダ系組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(Al-Qaeda in the Islamic MaghrebAQIM)」は、ウイグルでイスラム教徒の死者が発生したことを受けて、7月に初めて中国領内を報復攻撃すると脅す声明を発した。これに対し、亡命ウイグル人組織の代表は、すみやかにこの呼び掛けを拒絶した。(c)AFP

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