【9月22日 AFP】米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙は21日、アフガニスタン駐留米軍のスタンリー・マクリスタル(Stanley McChrystal)司令官が、8年に及ぶイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)との戦闘についての非公開の評価報告書のなかで、「さらなる増派を行わなければ1年以内に敗北する可能性がある」とバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に警告していると報じた。

 全66ページの報告書は、前月30日にロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官に提出され、ホワイトハウス(White House)が現在精査している。同紙が入手した報告書には、「新しい戦略が必要」「アフガニスタンの防衛能力が成熟したとしても、今後1年以内に戦闘のイニシアチブをとれず武装勢力の勢いを止めることができなければ、勝利の見込みが全くなくなってしまう危険性がある」などと書かれている。

 さらに、「人的資源が極端に足りない状態が現在も続いており、このことは、戦闘の長期化、犠牲者数の増加、コストの増大、そして究極的には政治的支援の欠如を招く。どのリスクをとっても、ミッションの失敗は免れないだろう」と強調している。

 北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty OrganisationNATO)主導の国際治安支援部隊(International Security Assistance ForceISAF)司令官も兼務するマクリスタル司令官は、米政府に6万2000人規模の増派を公式に求めると見られている。(c)AFP