【9月16日 AFP】(一部訂正)国連人権理事会(UN Human Rights Council)の調査団は15日、前年末から今年初めのイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)での軍事作戦に関する報告書を公表した。報告書はイスラエル・パレスチナ双方を「戦争犯罪」を行ったと糾弾しているが、特に、イスラエル側の過度な軍事行動を厳しく非難している。

 報告書は、イスラエルのガザ地区に対する攻撃の中で国際人道法違反があったと批判。イスラエル軍の攻撃へのきっかけとなったパレスチナ武装組織によるイスラエル南部へのロケット攻撃に関しても、戦争犯罪に相当し、「人道に対する罪」の可能性もあると指摘している。

 ただ、全7ページの報告書要約のうち、パレスチナの違反行為に関する記述はわずか4段落だけ。調査団のリチャード・ゴールドストーン(Richard Goldstone)団長は、「われわれが見出した数々の事実に基づき、国際人道法、国際人権法に対する多数の重大な違反行為が、ガザ地区での軍事行動中にイスラエルによって行われたとの結論に達した」と述べた。

 イスラエル政府はただちに、報告書は「一方的な内容」だと非難する声明を出した。イスラエル外務省は、「わが国は国際法に完全に則った行動をとっている」とした上で、報告書が指摘する「軍の不正行為」を精査する方針を示した。

 ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)も、報告書を「政治的で偏りがある」と非難している。

 報告書は29日、国連人権理事会に提出される。

 前年12月28日から今年1月18日にかけてイスラエル軍がガザ地区で行った軍事作戦で、パレスチナ側で約1400人、イスラエル側で13人が死亡し、主にガザ地区の約5500人が負傷した。(c)AFP/Gerard Aziakou