【8月25日 AFP】米司法省は24日、中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)が海外の秘密拘束施設で行った重要テロ容疑者への過酷な尋問について、CIAのジョン・ヘルガーソン(John Helgerson)統括監察官(当時)が2004年にまとめた機密文書の一部を公開した。この文書によると、CIAの尋問官は容疑者に対し、「母親をレイプする」「子どもを殺す」などと脅迫したほか、電気ドリルを体のそばに近づけるなどの行為を行ったという。文書は連邦判事の命令で公開された。

 文書によると、米兵17人が死亡した2000年の米海軍駆逐艦「コール(USS Cole)」爆破事件のアブド・ラヒム・ナシリ(Abd al-Rahim al-Nashiri)容疑者(当時)は、自供しないのなら、目の前で母親をレイプすると言われたという。

 また、9.11米同時多発テロ事件の主犯格の1人とされる国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)被告に対しても、CIAの尋問官は、「もし米国でまた何か起こったら、われわれはおまえの子どもたちを殺すつもりだ」と発言したという。

 一方、エリック・ホルダー(Eric Holder)米司法長官は同日、この文書の公開にあわせ、ジョン・ダラム(John Durham)連邦検事補を、CIAの尋問方法についての調査を行う特別検察官に指名した。ダラム特別検察官は長官に対し、尋問方法の合法性について、本格的な捜査が必要かどうかについての報告書を提出するという。

 ダラム氏はこれまで、CIAがテロ容疑者に尋問する様子を収録したビデオテープを破棄していた問題の捜査を行ってきた。(c)AFP/Lucile Malandain