【8月10日 AFP】インドネシアで前週、イスラム過激派グループと警察との銃撃戦で射殺されたヌルディン・トップ(Noordin Mohammed Top)容疑者とみられていた遺体が、別人のものである可能性を、国内の複数メディアが報じている。

 インドネシア国家警察の対テロ部隊は前週末、ジャカルタ(Jakarta)で7月に起きた外資系ホテル連続自爆攻撃の首謀者らが潜伏しているとみられるジャワ(Central Java)州ベジ(Beji)の民家を奇襲攻撃し、17時間におよぶ銃撃戦の末、ヌルディン容疑者とみられる男を射殺した。

 しかし、インドネシア各紙には、遺体はヌルディン容疑者のものではないとする政府や治安機関関係者による匿名情報が掲載されている。

 日刊紙ジャカルタ・グローブ(Jakarta Globe)は、「指紋や、顔、体格の特長から、死亡したのはヌルディン容疑者はないと断定した」との、対テロ機関高官の証言を掲載。ほかにも複数の専門家が、ヌルディン容疑者の死亡を否定している。

 こうした疑惑に対し、警察はDNA鑑定の結果を待つとの姿勢を貫いている。

 イスラム地下組織ジェマ・イスラミア(Jemaah IslamiyahJI)の分派を率いるヌルディン容疑者はマレーシア生まれで、ジャカルタでの外資系ホテル連続自爆攻撃など2003年以来、インドネシア国内の欧米関連施設で起きた複数の自爆攻撃の首謀者として指名手配されている。(c)AFP