【7月29日 AFP】イスラム原理主義組織と治安部隊の衝突が3日目を迎えたナイジェリア北部で28日、治安部隊がモスクと同組織指導者モハメド・ユスフ(Mohammed Yusuf)師の自宅を砲撃したのをきかっけに新たな衝突が発生した。目撃者によるとこの3日間の死者は250人以上に上った。

 武力による反乱を起こして「不道徳」」で「不貞」な社会を撲滅したいとする自称ナイジェリアの「タリバン(Taliban)」は26日早朝から、北部4州の警察施設を攻撃していた。

 暴動を鎮圧するため治安部隊は砲撃した。ボルノ(Borno)州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)には散発的に迫撃砲の発射音と銃声が鳴り響き、煙に包まれた。
 
 地元住民がAFPに語ったところによると、閃光(せんこう)が走り、機関銃の銃声がとどろいたという。28日遅くには砲撃は止まったが、新たな衝突が発生した。

 首都アブジャ(Abuja)で記者会見したウマル・ムサ・ヤラドゥア(Umaru Musa Yar'Adua)大統領は、同国北部は政府の「管理下」にあり、最後の攻撃が行われていると述べた。

 今回の衝突は前年11月にプラトー(Plateau)州の州都ジョス(Jos)で発生したイスラム教徒とキリスト教徒の衝突以来、最悪のものとなった。人権団体によると、この衝突では最大で700人が犠牲になったとみられている。

 今回暴動を起こした組織は2002年にマイドゥグリで組織され、2004年にニジェールと国境を接するヨベ(Yobe)州Kanamma村に「アフガニスタン」と称するキャンプを設立した。そこから警察施設3か所を襲撃し、警察官を殺害した。

 ナイジェリア北部はイスラム教徒が支配的だが、主要都市部にはキリスト教徒が移住してきており、両宗教間の緊張が高まっている。

 中央政府が民政移管した1999年以降、北部12州がイスラム法(シャリーア、Sharia)を採用している。独立系の治安アナリストらによると、今回の攻撃はこれらの州の3分の1に影響を与えたという。(c)AFP/Aminu Abubakar