【7月13日 AFP】(写真追加)暴動後、治安当局による大規模な取り締まり態勢が続く中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のウルムチ(Urumqi)で13日、ナイフを持っていたウイグル人2人を警官が射殺したと、当局が発表した。

 AFP特派員によると、事件が起こったのはウルムチ市内でもウイグル人が住む地域で、一帯にはまたたく間に自動小銃を持った機動隊が威嚇するようになだれ込んだ。

 ウルムチ市は「法的手段に則り、違法行為を犯した容疑者3人のうち2人を射殺、1人を負傷させた」という当局の声明を公表した。この声明によると3人は、同じウイグル人のなかの少数派グループに属する人物を襲撃しようとしていたという。全員、性別は明らかにされていない。

 しかし、当局の発表は事件を50メートル先から目撃したというウイグル人2人の証言と食い違っている。この目撃者らは、3人が狙っていたのは治安部隊だったと述べ、「彼らは大きなナイフで兵士たちに切りかかって撃たれた」と証言した。

 800万人のウイグル人が住む新疆ウイグル自治区の区都、ウルムチ市に住むウイグル人は約230万人。ウイグル人は長年、中国政府による支配は抑圧的だと非難しているほか、最近は流入する漢族との衝突も増えている。5日に行われたウイグル人のデモは暴動に転じ、中国当局によると184人が死亡、1680人が負傷する事態に発展した。

 13日、市内は平常どおりに戻りつつあったが、現場に居合わせたウイグル人の医師は「銃声のような音が10発ほど聞こえた。それから、もっと大きな重低音がいくつかして、たくさんの人が走っていった」と語った。

 この事件の後、治安部隊の一部は、数人ずつのグループごとに輪になって、自動小銃を握って互いに背を向けて立ち、まるで襲撃に備えているようだった。また、銃剣を出したまま銃を持ち歩く兵士もみられた。

 朝早くに開店していた店や料理店はすっかり閉められた。AFP特派員も機動隊員に「危険だから」と、立ち去るよう命じられた。(c)AFP/Dan Martin