【7月9日 AFP】(一部更新、写真追加)イラク北部と首都バグダッド(Baghdad)で9日、連続自爆攻撃のほか4件の攻撃があり、少なくとも計52人が死亡した。6月30日にイラク駐留米軍の戦闘部隊が都市部から撤退して以降、1日の被害として最悪の規模となった。

 イラク北部のタルアファル(Tal Afar)では、現地時間午前7時30分(日本時間午後1時30分)ごろ数分をおいて、2度の自爆攻撃が発生した。

 当局によると、2人の自爆犯は地元警察の巡査部長と巡査部長と同じ治安部隊に勤務する兄弟の家を攻撃した。1人目は警官の制服で扮装し、巡査部長が扉を開けたところで自爆した。巡査部長本人と妻、娘と巡査部長の兄弟が負傷した。数分後、最初の爆発の犠牲者を救出しようと人が集まったところで2度目の自爆が起きた。

 現地病院の医師によると、この攻撃で35人が死亡、61人が負傷した。警察および病院関係者によると、死者には女性や子どもも含まれていた。

 タルアファルは北部の大都市モスル(Mosul)とシリアとの国境の間に位置し、住民の大半がトルコ系で、同様の事件がひんぱんに起きている。

 前日にはモスルの2か所で自動車に仕掛けられた爆弾が爆発し12人が死亡、数十人が負傷している。

 一方、首都バグダッドのシーア派住民が多いサドルシティ(Sadr City)では市場で爆弾2発が爆発し、6人が死亡、31人が負傷した。

 またバグダッドのオフィス街、カラダ(Karrada)地区では、イラク中央銀行(Iraqi Central Bank)総裁の車列を狙い、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発した。この爆発では市民1人が死亡、警護要員2人を含む5人が負傷した。

 バグダッドのスンニ派(Sunni)地区アダミヤ(Adhamiyah)でも爆弾2発が爆発、9人が死亡し35人が負傷した。

 このほか北部キルクーク(Kirkuk)でも市場の入り口付近に仕掛けられた爆弾1発がさく裂し、市民1人が死亡したほか、3人が負傷した。負傷者のうち2人は警官だった。(c)AFP/Mujahid Mohammed