【6月12日 AFP】中東・中央アジアを管轄する米中央軍のデービッド・ペトレアス(David Petraeus)司令官は11日、アフガニスタンでの前週の治安情勢は過去、最悪レベルに達したと述べ、米軍の増派後も「数か月は厳しい状況が続く」との認識を示した。

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で行われた講演で、ペトレアス司令官は、攻撃件数などは未入手だとしながら、6月第1週のアフガニスタンの治安は、旧支配勢力タリバン(Taliban)政権が2001年に崩壊して以来、最悪のレベルに達したことを明らかにした。

 北大西洋条約機構(NATO)の統計によると、2009年1月から5月までの武装勢力による攻撃件数は、前年同時期から59%も増加している。
 
 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は就任後、駐留米軍を再編成し、重点をイラクからアフガニスタンに移すと言明。アフガニスタンの駐留米軍をさらに2万1000人増派する命令を出した。これにより、駐アフガニスタン米軍は今秋までに6万8000人規模に増大する。さらに、NATO加盟国からも3万3000人規模の部隊が加わる予定だ。

 また、ペトレアス司令官は、アフガニスタンの治安部隊の規模は2012年までに23万2000人に拡大すると述べたうえで、この規模では不十分だとの認識を示した。(c)AFP