【6月7日 AFP】第二次世界大戦中、連合軍がナチス・ドイツ占領下の欧州大陸を解放に導いたノルマンディー(Normandy)上陸作戦の決行日「Dデー(D-Day)」から65周年を迎えた6日、激しい戦闘があった仏ノルマンディー地方のオマハビーチ(Omaha Beach)を見下ろすコルビルシュルメール(Colleville-sur-Mer)で記念式典が行われた。式典には、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領のほか、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相、スティーブン・ハーパー(Stephen Harper)カナダ首相ら、元連合諸国の首脳らが出席した。

 1944年6月6日に行われたノルマンディー上陸作戦でフランスに上陸した連合軍兵士の数は約15万6000人に上る。作戦中、激しい戦闘があったオマハビーチでは、米兵9387人が戦死した。

 オバマ大統領は演説で「Dデーの犠牲者のことを決して忘れてはならない」と語った。サルコジ仏大統領も演説し、「この作戦でどれほど多くの犠牲者が出たか、どれほどの苦しみを味わったかを決して忘れてはならない。平和と正義を実現する夢を決して放棄してはならない」と述べた。

 式典に出席した1500人近い退役軍人の大半は英国人だった。ブラウン首相は「史上最大の戦争における史上最大の上陸作戦で戦った勇敢な兵士たち」に敬意を表した。だが最近の英国政治の混迷を反映するかのように有名なオマハビーチを「オバマ・ビーチ」と言い間違える場面もあった。

 夫のオバマ大統領に同行して式典に出席したミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人の装いは、ナルシソ・ロドリゲス(Narciso Rodriguez)がデザインを手がけた白いスーツ。カーラ・ブルーニ(Carla Bruni)仏大統領夫人もクリスチャン・ディオール(Christian Dior)の白いドレスで式典に臨んだ

 6日夜にフランスに到着したオバマ大統領一家は、パリ(Paris)に向かう途中、熱烈な歓迎を受け、訪れたノートルダム大聖堂(Notre Dame)やエッフェル塔(Eiffel Tower)付近のレストランの前は大きな人だかりとなった。

 オバマ大統領はサウジアラビア、エジプト、ドイツ、フランスを訪れた中東・欧州歴訪を終えて7日に帰国する予定。(c)AFP/Stephen Collinson