【5月25日 AFP】米バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が公約として進めている、キューバ・グアンタナモ(Guantanamo)湾にあるグアンタナモ米海軍基地内のテロ容疑者収容施設の閉鎖について、現統合参謀本部議長のマイケル・マレン(Michael Mullen)米統合参謀本部議長(海軍大将)と、コリン・パウエル(Colin Powell)元国務長官という米軍トップ経験者2人が24日、「『テロとの戦い』の容疑者収容所は閉鎖するべきだ」と大統領の方針に支持を表明した。

 米議会で共和党は、ディック・チェイニー前副大統領を先頭に、オバマ大統領は10年1月までにグアンタナモの閉鎖を約束しているが、テロリズムへの関与で拘束されている約240人の被収容者に対する措置について、何の計画もないと批判している。また民主党も、危険性の高い被収容者を米国本土の収容施設に移送することに反対している。

 共和党の父ブッシュ政権下で統合参謀本部議長を務めたこともあるパウエル元国務長官は、CBSテレビのインタビューで「わたしは過去6年間、グアンタナモは閉鎖されるべきだと思い、ロビー活動を行い、(ジョージ・W・)ブッシュ大統領にも理由を挙げてきた」と語った。

 マレン統合参謀本部議長はABCテレビとのインタビューで、グアンタナモ基地の収容所閉鎖についてはずっと前から賛成してきたと述べ、理由として、グアンタナモが「われわれと戦おうとするイスラム原理主義者や『ジハード(聖戦)の戦士』を募集、動員するシンボルになってしまっている」と述べた。

 また、閉鎖反対派の先鋒チェイニー氏が、そうした見解は「誰かほかの者が犯した悪行をアメリカのせいだというようなものだ」と非難している点について、マレン氏は「(グアンタナモが戦闘員の募集に)影響を与えているというのが、わたしの判断だ。そろそろ区切りをつけるときだ」と語った。(c)AFP/Jim Mannion