【4月27日 AFP】ケニア沖アデン湾(Gulf of Aden)でフランス海軍に捕捉されたソマリアの海賊11人の弁護人は25日、「海賊ではなく武装した漁船」だという主張を根拠に罪を否認する構えを明らかにした。

 海賊の「母船」の乗組員として15日に捕捉された11人は、海賊対策で派遣されている仏艦船によって連行され、現在ケニアのモンバサ(Mombasa)にこう留されており、8月初旬に現地での公判が予定されている。

 海賊容疑者らと の接見を終えたフランシス・カディマ(Francis Kadima)弁護士はAFPの取材に対し、ケニアで裁判が開かれることの正当性についても異議を申し立てる意向を明らかにした。

 欧州連合(EU)、英政府、米政府はそれぞれケニアに海賊容疑者を引き渡し、ケニアで裁判を行う協定を結んでいるが、これらの協定はケニア議会で批准されていないと同弁護士は指摘する。

 またカディマ弁護士は「(容疑者らは)自分たちは漁をしているのだと言っている。他人の弁明を笑うものもいるが、それが彼らなりの弁明だ。彼らは銃や何かを持ってはいたが、自分たちの安全のためには普通のことだと言っている。銃は市場で売っていたそうだ」

 ケニア警察では、AK47自動小銃4丁と銃弾200発を裁判証拠として提出しているが、カディマ弁護士はケニアで裁判が行われることの正当性自体を問うとしている。(c)AFP