【2月5日 AFP】(一部更新)独公営テレビ局ZDFは4日、ナチス・ドイツの強制収容所で虐殺に関与し「死の医師(Dr. Death)」の異名をとるアリベルト・ハイム(Aribert Heim)容疑者が、1992年にエジプト・カイロ(Cairo)で腸がんのため死亡していたと報じた。

 同局は、ハイム容疑者がイスラム教に改宗・改名してカイロに潜伏していたとの情報を、カイロ在住のハイム容疑者の息子および知人の証言として伝えた。

 ハイム容疑者は、ナチスの強制収容所で麻酔薬を用いずに収容者を手術したり、心臓に直接ガソリンを注射するなどの残虐な医療実験を行い、数百人を殺害したとされ、行方が追われていた。

 ユダヤ人の人権擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Center)」の「ナチ・ハンター」として知られるEfraim Zuroff氏は前年7月、ハイム容疑者が現在も生存していて、アルゼンチン南部またはチリに潜伏しているとの見解を示していた。(c)AFP