【1月20日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は19日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に対する攻撃でイスラエル軍が、国際法で民間人が近くにいる場合使用が禁止されている白リン砲弾を使用したことは「明白で議論の余地はない」と報告した。

 アムネスティは声明で、ガザ地区を視察に訪れた同団体の代表団が、人口の密集しているガザ市(Gaza City)とガザ地区北部で、イスラエル軍が広範囲で白リン砲弾を使用した確かな証拠を発見したと発表した。

 4人からなるアムネスティの現地調査チームの1人でガザを訪れた武器専門家、クリストファー・コブスミス(Christopher Cobb-Smith)氏は「道路や路地で白リン砲弾の使用を裏付ける証拠が散乱しているのを見た。まだ燃えているウェッジや砲弾の破片、イスラエル軍が発射した弾筒などもあった」と語った。

 ガザ内で活動する人権団体や医療関係者らは、イスラエル軍の白リン砲弾でやけどを負った数十人を治療したと報告している。

 白リン砲弾には激しいやけどをもたらす化学物質が使われており、民間人に対する使用は国際法で禁じられているが、煙幕生成のための使用は許可されている。酸素と接触することで煙幕を作り、部隊の動きを隠すためなどに使われる。

 一方、イスラエル側はガザに対する攻撃で使用した武器はすべて、国際法の範囲内だと主張している。

 イスラエルおよびパレスチナの占領地区を専門とするアムネスティの研究者ドナテラ・ロベラ(Donatella Rovera)氏は、白リン砲弾の使用は戦争犯罪に値すると述べた。

 イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するガザ地区に対するイスラエル軍の22日間の攻撃で、パレスチナ側の1300人以上が殺害された。(c)AFP