【1月8日 AFP】インド・ムンバイ(Mumbai)同時襲撃事件で、実行犯が人質を殺害しイスラムの名において死ぬまで戦うよう電話で指示されていたことを示す通話記録などが7日、公表された。

「パキスタンを拠点とする」とされる6人の通話記録は、インドがパキスタンに証拠として提出したもの。英字紙ヒンズー(Hindu)が入手した書類によると、トライデント・ホテル(Oberoi-Trident Hotel)の襲撃犯2人のうち1人は、「最大限の被害を与え」るとともに人質は「イスラム教徒2人を残し全員殺害」するよう命じられていた。

 また、事件による死者数はこれまでの発表より2人多く、民間人と治安部隊の計165人と実行犯9人となっている。そのほか、パキスタン製武器、パキスタン南東部沖からの航路座標を示した衛星利用測位システム(GPS)、パキスタンの洗剤とシェービングクリームなど事件後見つかった証拠品の一覧もある。

 インド側はこれらの記録について、事件の背後にパキスタンの組織がいることを「間違いなく示す証拠」だと主張。インドのマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は、事件に複数の「(パキスタン)政府当局」が関与しており、パキスタンがテロを「国策の道具」に用いていると述べた。

 この発言についてパキスタン政府は怒りをあらわにしつつ否定している。しかし一方で7日、実行犯の唯一の生き残りでインドで拘束されている男について、パキスタン国籍であることを確認。直後にMahmud Ali Durrani国家安全保障顧問を、「首相を初めとした利害関係者に情報を開示しなかった無責任な行為」を理由に解任した。(c)AFP/Phil Hazlewood