【1月4日 AFP】イスラエルが進攻したパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は数千人の軍事部門を擁しているが、専門家はハマスは武器も強化していると語る。

 しかし、今回のイスラエルによる攻撃は、ハマスにとって2007年6月にガザを支配下におさめて以来最も大きな試練となるだろう。

 ある西側の国のために作成された報告書によると、ハマスはガザを制圧した際、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas議長が率いるファタハ(Fatah)が備蓄していた米国製の小型武器と弾薬を手に入れたとされている。

 この報告書と近東政策ワシントン研究所(Washington Institute for Near East Policy)によれば、これらの武器によりハマスは砲弾を更新するとともに、150万人が暮らすガザ地区への支配力を強化することに成功した。近東政策ワシントン研究所は、武器の獲得はハマスにとって「軍事面での大成果」だったとしている。

 ハマスはこれとは別に、対戦車ミサイルも手に入れている。さらに06年のレバノン南部におけるイスラエルとレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)武装組織ヒズボラ(Hezbollah)の紛争からは、道路に仕掛ける地雷やゲリラ戦についての戦訓を得た。

 イスラエルに対するハマスの主な武器はカッサム(Qassam)ロケット弾と中国製のグラッド(Grad)ロケットだ。イスラエルはハマスがガザ制圧後これまでに数千発を自国領内に撃ち込んだと主張し、それを理由に今回の攻撃に踏み切った。

 イスラエルがハマスによるロケット弾発射をやめさせようと、先月27日にガザ空爆を開始した後も、ハマスは500発以上をイスラエルに向けて発射した。ガザとの境界線からイスラエル領内に30キロ入ったアシュドッド(Ashdod)や、ガザの北13キロのアシュケロン(Ashkelon)に着弾したものもあった。

 イスラエルのメディアは先週、諜報機関トップから内閣への報告内容として、ハマスはいまやアシュロッドやガザ地区との境界から40キロにあるイスラエルの砂漠の町ベエルシェバ(Beersheva)も射程に収める射程40キロのロケット砲を保有していると報じた。

 イスラエル軍では、数百発のロケット弾の製造に必要な部品は、エジプトとの境界につくられた地下トンネルを通じてガザに密輸されたとみている。イスラエル軍は空爆でこれらのトンネルを多数破壊した。(c)AFP