【1月3日 AFP】前日、スリランカの反政府勢力「タミル・イーラム解放のトラ(Tamil TigerLTTE)」の政治拠点である北部の町キリノッチ(Kilinochchi)を制圧したと発表したスリランカ軍は3日、LTTEの司令部へと進軍した。

 スリランカ軍報道官によると、空軍のMi-24戦闘ヘリコプター部隊が2か所で空爆を行い、地上部隊を支援した。2日にも同様の作戦を10回行ったという。

 国防省の発表では政府軍は、ジャフナ(Jaffna)半島とスリランカ本島を結ぶ陸路の要衝で、2000年4月にLTTEが占拠したエレファントパス(Elephant Pass)の奪還を目指し、キリノッチからさらに北上している。

 数か月間の激しい戦闘を経て2日に政府軍が掌握したキリノッチには、小国家同然に地域を支配してきたLTTEの政治機能が集中していた。キリノッチ制圧のニュースが伝わるとコロンボ(Colombo)などの街頭では喜ぶ人びとの姿が見られた。

 しかし、その数時間後にはLTTEのメンバーによるとみられる自爆テロがコロンボの空軍基地で発生、少なくとも兵士2人が死亡、36人が負傷した。

 LTTE側はキリノッチを失ったことは認めたが、スリランカ軍が入る前にLTTE本部やインフラ機能をさらに北東に移動させていたので、キリノッチはすでに放棄されていたと発表した。

 キリノッチは96年にも政府軍に掌握されたが、2年後にはLTTEが奪還し、以後支配を続けていた。(c)AFP/Amal Jayasinghe