【1月3日 AFP】(一部更新)イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)に対するイスラエル軍の攻撃は3日、開始から2週目に突入した。

 イスラエル軍の発表によると、同軍はガザ各地の目標に対し、空爆とガザ沖の艦船からの砲撃で、2日から3日にかけて夜通し20回にわたって攻撃を加え、複数のハマス幹部の自宅や沿岸にあるハマス拠点に打撃を与えた。

 前週に続き、パレスチナ側では子どもたちがイスラエル軍の攻撃の犠牲となっている。2日には58回以上の攻撃があったが、ガザ南部ではイスラエル軍機のミサイル攻撃で男児3人が死亡した。ガザ市(Gaza City)郊外では、イスラム原理主義組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」メンバーの自宅が空爆を受け、12歳の少女が死亡した。

 また、医療関係者によると、ガザ地区北部ジャバリヤ(Jabaliya)では、ロケット弾を発射していたハマスの軍事部門の戦闘員2人が死亡した。
 
 同日、ハマスの軍事部門は、ガザとの境界線から進入を試みているイスラエル軍特殊部隊の哨戒隊を撃退したと発表した。一方、イスラエル軍報道官は、27日の空爆開始以降、イスラエル軍は1人も越境していないとし、哨戒隊の件についても確認していないと述べた。
 
 ガザの医療関係者らによると、パレスチナ側のこれまでの死者は少なくとも435人、負傷者は2150人に達した。

 全長60キロのガザ地区とイスラエルの境界線沿いには、政府の出撃命令にいつでも応じられる態勢でイスラエル軍の戦車と地上部隊が待機している。

 一方、米国のジョージ・W・ブッシュ(George W Bush)大統領は3日、週末恒例のラジオ演説で、停戦を促すためにハマスにイスラエルに対するロケット弾発射を止めさせる圧力をかけるよう、すべての関係各方面に呼び掛けた。

■「人道危機以上の状態」

 空爆で多数の住宅が破壊されたガザでは、人道的状況の悪化に対する懸念がこれまで以上に高まっている。パレスチナ自治区担当のマックス・ゲイラード(Max Gaylard)国連(UN)人道調整官は「ガザ地区は今まさに深刻な緊急事態にある。どんな定義を当てはめてもこれは人道危機以上の状態だ」と訴えた。

 シリアに亡命中のハマスの政治部門最高指導者ハレド・メシャール(Khaled Meshaal)氏は、イスラエルに対し「地上進攻開始という愚行を犯せば、行く末には黒い運命が待っていることだろう」と警告した。メシャール氏はまた、事前に録音された発言の中で「ガザが神の怒りであることを知ることになるだろう」とも述べた。

 一方、ロバート・セリー(Robert Serry)国連中東和平特別調整官は同日エルサレム(Jerusalem)での記者会見で「市民とその生活の保護、和平交渉と地域和平プロセスの未来はすべて、ハマスの無責任な攻撃とイスラエルの過剰な反応の狭間で、身動きがとれなくなってしまった」と語った。(c)AFP/Adel Zaanoun