【12月23日 AFP】フィリピン南部ミンダナオ(Mindanao)島で21日夜、国連食糧計画(World Food ProgrammeWFP)がチャーターしたトラックが襲撃され、運送会社のフィリピン人従業員1人が死亡した。

 このトラックは、イスラム教反政府勢力モロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation FrontMILF)の攻撃により避難民となった人びと援助の食糧を届けた後に待ち伏せされ、放火された。

 事件直後には、周辺地域で活動を活発化させているMILFの犯行が疑われたが、現地の軍司令官は23日、食糧を狙った強盗事件だとの見方を示した。現場周辺は車両を狙った盗賊が多いことで知られ、特に食糧を運ぶ車両が狙われているという。

 WFPでは事件後、今すぐミンダナオ島の人員配置を変えることはないと発表している。

 フィリピン政府とMILFは「先祖伝来の土地」問題の覚書に署名する予定だったが、同国最高裁が8月違憲判決を出したことで交渉は中断した。それ以来、現地の情勢は悪化し、戦闘開始時には50万人以上が自宅からの避難を余儀なくされた。大半はその後帰宅できたが、現在も数万人が避難民キャンプに残っている。(c)AFP