【11月28日 AFP】(一部更新)インド・ムンバイ(Mumbai)で26日夜に発生した同時襲撃事件で28日、武装グループが立てこもっていた高級ホテル2か所とユダヤ教関連施設があるナリマンハウス(Nariman House)に特殊部隊が突入した。

 政府発表によると、高級ホテルのうちトライデント・ホテル(Trident Hotel、旧オベロイホテル)は特殊部隊が制圧したが、タージマハル・ホテル(Taj Mahal Hotel)では銃撃戦が続いている模様だ。一方、特殊部隊が突入したナリマンハウスでは、人質5人が死亡しているのが見つかった。

 国家治安警察隊の幹部によると、人質は作戦実施中に武装グループによって殺害されたという。また、この作戦で武装グループのメンバー2人も死亡した。イスラエルのある外交官は、5人全員がイスラエル国籍だと述べた。

 28日午後の時点で、ホテルや建物内に武装集団メンバーや人質が残っているのかは分かっていない。トライデント・ホテルの内部で24人の遺体が発見されたが、これらがこれまでの死亡者数として発表された130人に含まれているのかも明らかにされていない。

 事件発生から36時間が経過するなか、市内各地では、依然としてインド軍や治安部隊が事態の収拾にあたっている。

 PTI通信(Press Trust of India)によると、インドのプラナブ・ムカジー(Pranab Mukherjee)外相は「パキスタン内に拠点を置く複数の組織が襲撃に関与した可能性があるとの情報を得た」と述べ、パキスタンを非難する声明を発表した。一方、関与を示す証拠については「現時点では公にできない」と語った。

 今回の襲撃事件に関連して、インドがパキスタンを名指しして非難したのは、ムカジー外相の声明が初めて。

 インドは国内に反政府イスラム勢力や毛沢東主義組織を抱え、これらの組織による暴動がしばしば発生しているが、これらの暴動の首謀者や動機、人数などの詳細が明らかにされたことはない。(c)AFP/Phil Hazlewood