【9月11日 AFP】パキスタンのアシュファク・キアニ(Ashfaq Kayani)陸軍参謀長は11日、隣国アフガニスタンに展開する米軍主導の多国籍軍の越境攻撃を強く非難し、パキスタンの「主権は死守されなければならない」と述べた。

 キアニ参謀長は声明で「国の主権と領土保全は死守されなければならない。いかなる外国勢力もパキスタン国内で作戦を実施することは許されない」と述べた。

 アフガニスタンとの国境に近いパキスタン・南ワジリスタン(South Waziristan)州では前週4日、駐アフガニスタン多国籍軍の越境攻撃で市民ら15人が死亡している。

 米国のマイケル・マレン(Michale Mullen)統合参謀本部議長は10日、パキスタン領内の武装勢力の潜伏地域を含む新たな戦略を立てるよう命じたことを明らかにした。

 これに対し、キアニ参謀長は多国籍軍との間で「パキスタン領内での作戦実施を許可する合意や理解」はないと指摘。市民に被害を及ぼす「見境のない攻撃は武装勢力の活動を助長するだけ」だと述べた。

 米、アフガニスタン両政府は、パキスタン国境付近の部族地域に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)や旧支配勢力タリバン(Taliban)が潜伏していると主張している。(c)AFP/Rana Jawad