【9月8日 AFP】アフガニスタン西部で米軍とアフガニスタン国軍(Afghan National ArmyANA)の合同軍が8月下旬に行った空爆について、新たな証拠となるビデオ映像が現れ、米軍が再調査を開始した。アフガニスタン政府および国連(UN)による調査団は同爆撃で民間人90人以上が死亡したと主張している。

 これまで米軍側は、8月22日にヘラート(Herat)州のアジザバッド(Azizabad)村に対し行われた空爆で民間人多数が死亡したとの情報を断固否定しており、死者は旧支配勢力のイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)戦闘員30~35人と民間7人だったと発表している。

 しかし、米中央軍のDavid McKiernan大将は、7日夜に発表した声明で、アフガニスタン国軍と米軍の合同軍による問題の作戦について「新たな証拠が現れた」とし、この証拠に基づく再調査のために米軍高官を任命する意向を明らかにした。

 McKiernan司令官は、米軍主導の合同軍と連携している北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)を率いているが、駐アフガニスタン米軍内で最高位の司令官でもある。

 リチャード・ブランシェット(Richard Blanchette)ISAF報道官によると、McKiernan司令官が言及したのは、被害を受けた村の住民が携帯電話で撮影したビデオ画像で、AFPでも同じものと思われる画像を入手した。布をかぶせられた少なくとも30人の遺体が、モスク内に並んでいる様子が写っている。

 犠牲者の何人かが子どもであることを示すため、布が持ち上げられる場面があり、中には幼児もいる。また少なくとも1人の子どもの遺体は、頭蓋骨が吹き飛ばされた状態だった。(c)AFP