【6月30日 AFP】レバノンを拠点とするイスラム教シーア(Shiite)派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)とイスラエル政府による人質交換について、イスラエル国防省高官は30日、実施は少なくとも2週間以上先になる見込みだと述べた。同公営ラジオ番組が談話を引用した。

 イスラエル政府は29日の閣議で、イスラエル兵2人の遺体との交換で、収監中のレバノン人戦闘員5人とパレスチナ人らを釈放することを決定したという。釈放されるパレスチナ人の人数は明らかにされていない。

 イスラエル側は、イスラエル兵の遺体の身元確認のために遺伝子検査が必要なため、交換には2週間の遅れが生じるとしている。イスラエル兵2人は2006年7月12日に、国境付近の戦闘でヒズボラに拉致されたEldad Regev氏とEhud Goldwasser氏とされ、これがきっかけで34日間にわたるイスラエル軍のレバノン進攻が繰り広げられた。

 また同高官によると、イスラエル政府は、1982年にシーア派の武装グループに拉致され、1986年以降行方不明になっているイスラエル空軍兵Ron Arad氏についても、今後2週間内にヒズボラから情報が提供されることを期待しているという。

 ヒズボラの指導者、ハッサン・ナスララ(Hassan Nasrallah)師は2006年1月、Arad氏は死亡した可能性が高いと述べていたが、その証拠は提示されていない。同高官は、この情報に関する交換条件としてイスラエル側は、1982年にレバノンで失跡したイラン人外交官4人についての情報を提供する用意があると述べた。(c)AFP