【6月22日 AFP】レバノン北部の都市トリポリ(Tripoli)で22日、対立する与野党の支持者同士の間で激しい衝突が発生し、1人が死亡、少なくとも24人が負傷した。

 治安筋によると、衝突したのは親欧米の与党の支持者たちと、イスラム教シーア派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)が主導する野党の支持者ら。現地時間午前4時15分(日本時間午前10時15分)ごろ、トリポリ北端のBab al-Tebbaneh地区とJabal Mohsen地区で発生した。

 Jabal Mohsen地区では、銃弾が当たった22歳の男性が、バダウィ(Baddawi)のパレスチナ難民キャンプ近くにある病院に運ばれたが死亡した。

 トリポリの他地区では同日、衝突が広がることを恐れて展開されたレバノン軍部隊が見かけられた。周辺では5月にも同様の事態が発生した。

 レバノンでは長期間の与野党対立が先鋭化し、内戦の危機もささやかれていたが、5月にカタールで与野党合意が成立、フアド・シニオラ(Fuad Siniora)首相が現在、挙国一致内閣の組閣を進める中で、今回の衝突が発生した。

 5月の合意を受け、空席となっていた大統領にミシェル・スレイマン(Michel Sleiman)軍司令官が選出され、重要決定および新たな選挙法に関し、野党が拒否権を持つ挙国一致内閣の組閣が要請された。(c)AFP