【6月16日 AFP】アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領は15日、同国は「自衛」のためパキスタン領内のアフガニスタン旧支配勢力タリバン(Taliban)への攻撃を辞さないとの姿勢を示した。

 これに先立ち米軍主導の多国籍軍は11日、アフガニスタンと国境を接するパキスタンの部族地域を空爆。米政府は武装勢力を狙ったものとしているが、パキスタン側は兵士11人が殺害されたと主張している。

 また13日には、南部カンダハル(Kandahar)でタリバンの一団が刑務所を襲撃、タリバン戦闘員数百人を含む約1100人が脱獄する事件が起きている。カンダハルはタリバン発祥の地。

 一方、パキスタンのユサフ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相はカルザイ大統領の発言直後、自国領土権に対するいかなる侵害をも容認しないとの姿勢を示した。

 いずれも米政府の「テロとの戦い」の同盟国であるアフガニスタンとパキスタンは数年来、国内で増加する武装勢力の活動について、お互いの政府の対策が不十分だと批判し合っている。(c)AFP/Sardar Ahmad