【5月11日 AFP】(写真追加)スーダン政府は11日、ダルフール(Darfur)地方の反政府勢力による首都ハルツーム(Khartoum)への攻撃を支援したとして、チャドと断交すると発表した。ハルツームでは、残存する反政府勢力を捕らえるため外出禁止令が無期限に延長された。

 スーダン政府は、政権転覆を公言してハルツーム郊外まで攻め込んできた「正義と平等運動(Justice and Equality MovementJEM)」を撃退したと発表した。チャド政府が支援している疑いがあるとしている。

 一方、スーダン軍当局は、逃亡中の武装勢力を捕らえやすくするため外出禁止令を無期限延期したと発表した。また、エジプトの中東通信(MENA)は、ハルツームの国際空港が治安上の理由から閉鎖されたと伝えた。

 スーダン、チャド両政府は、互いに双方の政権転覆を狙って反政府勢力を支援しているとして非難しあっており、10日の戦闘についてもスーダン政府はただちにチャドを非難した。

 スーダン外務省高官のAli Yousif氏は、「チャド政府ならびにハルツームのチャド大使館と(反政府勢力と)の間に通信があったという証拠がある。この観点から断交を決定した」と述べた。

 さらにAli Yousif氏は、チャドの大使はハルツームにはいなかったが、「5-6人の」チャド高官が「おそらく退去の準備をしている」と述べるとともに、チャドの外交官の通行の安全を保障した。

 Ali Yousif氏は、戦闘による犠牲者の情報は得ていないが、「外国人の負傷者や死者は出ていない」と話した。

 また、JEM側がハルツームで交戦したと主張していることについて、Yousif氏は、戦闘はオムドゥルマン(Omdurman)で起こり、10日夜には終了したと述べた。

 2月には、スーダン政府の支援が疑われる武装勢力が、チャドの首都ヌジャメナ(Ndjamena)にある大統領宮殿の門まで到達した後、撃退されていた。

 国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、「即時の交戦停止」を呼び掛けている。(c)AFP/Mohammed Ali Saeed