【3月18日 AFP】英テレビ局の調査で、イラク人の7割以上が駐留多国籍軍の撤退を希望していることが明らかになった。

 調査は、英チャンネル4(Channel 4)テレビが、2003年3月20日のイラク開戦から5周年を迎えるのを機に英国とイラクの調査会社に委託し、2月24日から3月5日にかけて、イラク国民4000人に聞き取り調査を行ったもの。

■駐留多国籍軍撤退を7割が希望

 この結果、回答者の70%が駐留多国籍軍のイラク撤退を望んでいることが分かった。一方で、約40%はイラク再建で米国が中心的役割を担うことを期待しており、36%は英国のより積極的な関与を望んでいることも分かった。

 長期的に駐留多国籍軍の存在はイラクの国益に貢献すると回答したのは23%以下だった。

■イラクの将来は楽観

 調査結果を総合的にみると、日常では悲惨な状況下に置かれながら、イラクの人々が将来について驚くほど楽観的であることが見てとれる。

 イラクでの改革の進捗速度に「満足」と答えたのは45%、「不満足」との回答は40%だった。また、イラクに「平和と安定が回復する」との回答は68%に上り、約80%が自身の居住地区で「治安が回復している」と答えた。

■多くの人々に痛み

 しかし、インフラ設備や日常生活などへのイラク戦争やその後の宗派間抗争がおよぼす影響や人的被害なども、調査から浮き彫りになった。 

 回答者の4人に1人は家族が殺害された経験を持つ。バグダッド(Baghdad)に限れば、ほぼ半数(45%)が家族を殺されている。また、81%が停電、43%が飲料水不足を経験しており、最近1か月では28%が食料不足に直面したと答えた。

■宗派による温度差も

 イラクの民主化に関する回答は割れた。

 イラクの将来ついては55%が楽観視している。ただし、少数派のイスラム教スンニ派の回答者に限ると、48%が悲観的な見方を示した。(c)AFP