【2月29日 AFP】(3月1日 一部更新)トルコ軍はイラク北部で展開していたトルコ労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)の掃討作戦を終えトルコ領内への撤退を始めた。同軍が2月29日、明らかにした。

 イラクのホシヤル・ジバリ(Hoshyar Zebari)外相、PKKの広報担当者もトルコ軍の撤退を確認した。

 トルコのNTVテレビによると、トルコ国境に近いCukurcaでは、兵士らを収容するトルコ軍の空の車列がイラク北部に向かっているという。同地では前夜、トルコ軍がPKK拠点を空爆したが、29日朝は平穏な状況だという。

 トルコ軍は21日、イラクとの国境地帯を拠点にトルコ南東部クルド人居住地域の分離・独立運動を続けるPKK戦闘員4000人あまりを掃討する目的で越境軍事作戦を開始した。しかし米国およびイラク政府は、イラク北部の戦闘が拡大しかねないとして、トルコ政府に懸念を示していた。

 トルコ軍発表によれば、同作戦で少なくともPKK戦闘員237人が死亡し、PKKの拠点や武器庫など数十箇所が破壊された。トルコ軍の死者は27人だという。

 一方、PKKは声明で、トルコ兵100人あまりを殺害し同軍ヘリコプター1機を撃墜、PKK戦闘員の死者は5人と発表している。PKK広報担当者は、トルコ軍の撤退は「限定的」との認識を示しながら、完全撤退ならPKKの勝利を意味すると語った。(c)AFP