【2月24日 AFP】旧支配勢力のイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)掃討のため、3月に同国南部に派遣される米海兵隊員2200人には、これまでとは違う戦闘が求められる。

 同国への増派要請に同盟国が応じなかったため、米国防総省は1月、ノースカロライナ(North Carolina)州キャンプ・ルジューン(Camp Lejeune)の第24海兵隊進攻部隊に出陣を命じた。

 雪解けとともにタリバンの攻撃が増加すると予測されるため、春を待たずに上陸する。タリバンは戦略や地形の利用の仕方で、イラクの武装勢力とは大きく異なる。

 イラクで体験してきたものとは「違うタイプの戦闘が予測される」と海兵隊所属の偵察部隊デビッド・リー(David Lee)大尉は指摘する。「イラクでは敵は簡易爆発物(IED)を多用し、戦闘員は隠れていた。一方、アフガニスタンのタリバンは近付いて銃撃するので銃撃戦になるだろう。イラクではあまりなかったことだ」

 巡回や銃撃の基本訓練に変化はないが、アフガニスタンに合わせたし調整が必要だったという。

「最近2か月間の訓練では、近接航空支援、援護射撃、武器支援などに重点を置いた。また、隊員約15人を対象に500メートル離れた標的に向けた突撃ライフルでの狙撃訓練を行った」(リー大尉)

 軍事訓練に加え隊員は、現地で話されているパシュトゥー語とダリー語の研修も受ける。ある若い隊員は「語学の授業では『これからあなたの家を捜索します』などの表現を学ぶ」と話した。

 同隊司令官のPeter Petronzio大佐は「訓練の時はいつももっと時間があったらと思うものだが、われわれは準備万端だ」と語る。大佐の事務所は荷造りを終えいつでも出発できる状態になっている。

 同隊とともにヘリコプター20機も派遣されることになっており、その到着は、ヘリの増派を求めていた北大西洋条約機構(NATO)軍にとっても大きな支援となる。派遣される海兵隊はカナダ、英、オランダ各軍を支援する。

 アフガニスタン南部は戦闘が頻発しているほか、ケシの栽培も広く行われている。(c)AFP/Daphne Benoit