【2月7日 AFP】駐イラク米軍とイラク軍は6日、覆面をし武装した子どものビデオ映像5本を報道陣に公開し、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)がイラク国内で子どもを戦闘員や誘拐犯として訓練している可能性があるとの見方を示した。

 駐イラク米軍報道官のグレゴリー・スミス(Gregory Smith)海軍少尉は、この5本のビデオについて、2007年12月4日にバグダッド(Baghdad)北方のカーンバニサード(Khan Bani Saad)で、アルカイダのものとみられる軍事拠点を襲撃・捜索した際に押収したものだと発表した。

 ビデオには、欧州のサッカーチームのジャージを着て目出し帽をかぶった9歳前後とみられる少年たちが拳銃や、マシンガン、ロケット砲を手に訓練を受けている様子が撮影されていた。

 自転車に乗った民間人の頭に拳銃を突きつけて手を頭の後ろで組ませたり、車を停めさせて乗員を拉致する訓練、武装して人家を襲撃したり、ミニバスから武器を持って一斉に飛び出す訓練なども映っていた。

 米軍はビデオに出てくる子どもたちの様子や、近隣の大人たちの反応から、子どもたちが誘拐されたり強制されて訓練を受けたのではなく、訓練に参加した地元部族系の人々の子どもではないかとみている。

 また別のビデオには、北部キルクーク(Kirkuk)で武装グループに誘拐された10歳の少年がイラク軍に救出され、両親と再会を果たすまでが映されていた。武装グループは少年の両親に身代金1000ドル(約11万円)を要求していた。

 米軍やイラク政府は最近、アルカイダが子どもや精神障害を持つ人を自爆攻撃に利用していることに懸念を強めている。(c)AFP/Herve Bar