【1月24日 AFP】イスラエルによる封鎖で不足している物資を調達するために、エジプトとの境界沿いの壁の一部を爆破し、数万人の住民がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)からエジプトに流入している事態を受け、エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領は23日、非武装である限りは流入を認める意向を示した。また、流入先のエジプト・カイロ(Cairo)ではガザ地区のパレスチナ人を支持するデモが行われ、参加者500人が拘束された。

 ムバラク大統領はカイロで記者団に対し、「武器や非合法なものを所持していない限り、ガザ地区の住民が日常品を購入し同地区に戻ることを許可するよう(治安部隊に)命じた」と語った。エジプト政府当局は、同国に流入した人数は推定6万人に上ることを明らかにしている。

 エジプトとガザ地区を隔てる壁の一部は、少なくとも15個の爆発物で爆破された後にブルドーザーで押し倒され、イスラエルによる封鎖が続く同地区から住民の往来が可能になっている。

 一方、流入先のエジプトの首都カイロでは同日、ガザ地区のパレスチナ人を支持するデモが行われ、当局によりデモ参加者ら500人が拘束された。治安関係者が明らかにした。

 治安関係者は、「デモ参加者のほとんどが穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)のメンバーで、(カイロ中心部の)アラブ連盟(Arab League)本部前で抗議活動を行っていた際に拘束された」と語った。ムスリム同胞団は、同組織のウェブサイトで、メンバー1000人が逮捕されたことを明らかにした。

 目撃者によると、治安部隊は警棒や催涙ガスなどでデモの鎮圧を図ったという。(c)AFP