【1月6日 AFP】マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)で5日、インド系住民を起訴なしで無期限拘束できる国内治安維持法(Internal Security ActISA)に反対する集会が行われ、警察当局が放水車などを動員して排除した。

 女性・子ども含め約300人が警察の禁止令を無視して独立広場(Independence Square)を目指したが、機動隊など約100人の警官隊に阻止された。

 参加者はろうそくをともし、権利を訴えて歌うなどして政府に対しISAの廃止を訴えた。すぐに警察が放水車や催涙ガスを使用して排除した。

 近くの通りに逃げ込む参加者を警察が追ったが、主催のヒンズー人権行動軍(Hindu Rights Action Force)によると拘束者は出ていない。

 前年11月にインド系住民に対する差別を訴えるデモを実施した5人のメンバーが同12月、ISAにより拘束されたことが、今回のデモのきっかけだという。

 ISAでは起訴なしで無期限の拘束が可能。英植民地時代に共産党勢力を抑えるため導入されたが、現在ではもっぱらイスラム教「戦闘員」に適用されているという。

 多民族国家マレーシアでは宗教や民族が特にデリケートな問題となっており、1969年には民族問題による暴動が発生、大きな犠牲を出した。

 イスラム教徒のマレー系が人口の60%を占め、中国系が26%、インド系が8%となっている。(c)AFP