【11月25日 AFP】マレーシアの首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)で25日、自分たちの経済的問題は旧宗主国・英国に責任があるとして同国に対し数十億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしたインド系住民が、訴訟の支援を訴えるデモを行い、警察と衝突した。

 当局がデモを禁止したにも関わらず、治安部隊が道路を封鎖して厳戒態勢を取るなか、およそ8000人が英大使館に向かった。

 ペトロナスツインタワー近くに集まったデモ隊に対し、警察は催涙弾や放水車で排除を図ったが、デモ隊は動かず、催涙弾が投げ返される場面も。放水車の水に含まれていた薬品のため、吐き気をもよおす人もいた。

 主催者のヒンズー人権行動軍(Hindu Rights Action ForceHindraf)によると、400人以上が拘束され、19人が負傷したというが、警察側は、拘束者は100人程度だとしている。

 英国を相手取った今回の訴訟は、原告のインド系住民の主張するところによると、イスラム教徒・マレー系民族主流のマレーシア政府によるインド系住民に対する差別に焦点を当てたものだという。

 1880年代に英国によって契約労働者として連れてこられたインド系住民200万人に対し1人200万ドル(約2億2000万円)、合計4兆ドル(約433兆円)の損害賠償を求めている。

 原告側はマレーシア政府に対しても「少数派」ヒンズー教徒の社会的・経済的水準の向上を求めている。ヒンズー教徒は同国で第3番目の大きさだ。

 6時間に及ぶもみ合いの末、警察はHindrafに請願書の提出を認めたが、申し出は拒否した。

 同団体の法律顧問は、請願書は英国のロンドン(London)にいるエリザベス女王(Queen Elizabeth II)に届けると述べ、群衆に解散を呼びかけたため、デモは終了した。

 請願書では英国に今回の訴訟で代理人を務める弁護士を任命するよう求めている。

 タミル人を中心とするインド系住民は、同国総人口2700万人の8%に当たり、その多くが技術力や所得、教育水準が低い。一方、最多のマレー系民族は総人口の60%を占め、中国系が26%となっている。

 マレーシアは50年前に英国から独立した。(c)AFP/Romen Bose