【8月15日 AFP】62回目の終戦記念日を迎えた15日、多くの人が靖国神社を参拝した。

 小泉前首相は早朝、参拝客から励ましを受けながら、静かに参拝を行った。前年の終戦記念日には現職の首相として21年ぶりに参拝を行い、中国や韓国から反発を招いた。靖国神社は戦没者と戦犯者を一緒にまつってあるため、常に論争の的となっている。

 一方、安倍晋三(Shinzo Abe)首相および現内閣は、2006年9月の小泉前首相の辞任以来、中国、韓国両政府との関係修復に取り組んできており、今年は参拝しないと意向を表明していた。ただし、安倍首相は、都内の日本武道館で正午からとり行われる全国戦没者追悼式に出席する。

 62年前のこの日の正午、昭和天皇は「堪ヘ難キヲ堪ヘ」と述べ、日本の降伏を発表するラジオの玉音放送を行った。それまで天皇は神としてあがめられ、公に語ったことは無かった。

 昭和天皇は日本が荒廃し、広島と長崎に米軍によって原爆が投下されたのを受け、降伏を決断。これにより史上最悪とされる第2次世界大戦が終結した。

■消えない反日感情

 第2次世界大戦に関する反日感情は東アジアではいまだに強く、多くの中国人や韓国人は両国での日本の残虐行為ついて憤りを感じている。韓国では同日、日本の植民地支配からの「解放記念日」である光復節を迎える。

 また、安倍首相の歴史に対する保守的見解は良く知られており、過去には何度も靖国神社を参拝している。ただし、安倍首相は、約1年にわたる在職期間中の自身の主要な功績として、中国および韓国との関係改善を挙げている。

 一方、元兵士や国家主義者の活動家らは、毎年8月15日に靖国神社に集合する。

 この日、靖国神社を参拝した元海軍兵士の男性(87)は、安倍首相にも参拝して欲しかったとしつつも、「海外からの反発に遭うことも理解している。安倍首相は心の中では参拝したかったと確信しており、それだけでわたしには十分だ」と語った。(c)AFP/Kimiko de Freytas-Tamura