【7月26日 AFP】イラクの首都バグダッド(Baghdad)で25日に発生したサッカー第14回アジアカップ(Asia Cup)のイラクの決勝進出を祝う群衆を狙った2件の自動車爆弾によるテロ事件の犠牲者は、米軍筋によれば、死者50人、負傷者90人を上る見込みとなった。

 同日夜、マレーシアで行われた準決勝で、イラクは韓国をPK戦で破り、劇的な勝利をおさめた。バグダッドでは勝利に歓喜するサポーターら数千人が、イラク国旗を手に通りに繰り出し、歌ったり、空に向けて銃を撃つなどして勝利を祝っていた。

 国内紛争が続くイラクの人々が、イラク国民として喜びを共有できる数少ないこの機会に、西部マンスール(Mansour)地区と東部ザユナ(Zayuna)地区の2か所で、群衆めがけて武装勢力の自動車爆弾が突っ込み爆発、多数が死傷した。

 バグダッド市内3か所の病院の医療関係者は、2件の爆弾テロによる死亡者は38人、負傷者は126人と発表。またテロとは別に、祝砲の流れ弾にあたって2人が死亡したとも報じられた。

 しかし、遺体の多くが事件直後に現場から移動された可能性があることから、治安当局も実際の死者数を正確には把握できず、内務省は死亡者数を58人、国防筋は53人と発表した。。

 今回のテロの犯行声明は出ていないが、過去に起きた同様の事件では、米国が支援している政府の転覆や国内の混乱を狙う、国内の国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系組織など、スンニ派武装勢力の関与していたケースが多く、今回も同様の組織との関わりが疑われている。(c)AFP