【2007年7月5日 AFP】16週間にわたって英国放送協会(BBC)のアラン・ジョンストン(Alan Johnston)記者を拉致していた「Army of Islam」は、ガザ地区(Gaza strip)で最も力を持つ集団の指導者によって率いられるイスラム過激派武装勢力。

 この謎に包まれた組織「Army of Islam」は、Mumtaz Doghmushによって創設。高校を中退しているDoghmushは、ガザ地区で最も大規模かつ重武装、そして最も恐れられている組織の指導者だとされている。

 Doghmushは、過去に何度か、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長率いるファタハ(Fatah)や、6月にガザ地区からファタハを追い出したイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)と同盟を結んでいたことがある。

 Doghmushはその後、ハマス寄りのパレスチナ民衆抵抗委員会(Popular Resistance CommitteesPRC)に参加し、2005年の終わりには「Army of Islam」を創設した。この組織の構成員は、ほとんどDoghmushの組織のメンバーだと考えられている。

 情報筋によると、同組織は、AFPのカメラマン、Jaime Razuri氏の拉致にも関わっていたという。Razuriカメラマンは、一週間後に解放されている。

「Army of Islam」は5月9日、ジョンストン記者拉致の犯行声明を出し、イスラム過激派のメンバーら、特に英国で拘束中のパレスチナ人、アブ・カタダ(Abu Qatada)容疑者の釈放を要求。

 この犯行声明後、ハマスは「Army of Islam」と一切の関係を絶ったと発表している。

 Doghmushの組織は、5000人から7000人で構成されており、運輸業から製造業までさまざまな企業が含まれている。(c)AFP