【7月3日 AFP】米政府は2日、イラン革命防衛隊(Revolutionary Guard)の特殊部隊「Quds Force」がレバノンのイスラム教シーア派武装組織「ヒズボラ(Hezbollah)」と共同でイラクでの戦闘要員を訓練しているとして、イラン政府を非難した。

 米軍によると、「Quds Force」はイランの首都テヘラン(Tehran)近郊にヒズボラと共同で軍事キャンプを設置し、イラクでの戦闘要員を養成しているという。さらに、イラクのシーア派武装組織の戦闘員に月に最大300万ドル(約3億7000万円)の資金および兵器を供給していると主張する。

 この事実は、3月20日にイラク南部のバスラ(Basra)で米軍に拘束されたレバノン人のヒズボラ幹部Ali Musa Daqduqの告白により明らかになったもの。

 また、1月20日に発生したイラク中部の聖地カルバラ(Karbala)で、米兵5人がイラクの複数の秘密組織からなるグループに誘拐され殺害された事件についても米政府は、Qods Forceが犯行組織に資金援助、武器供給、および訓練を行っていたとしている。犯人らは、米軍の制服を着ていたという。

 米軍によると、同部隊はイラクの過激派をヒズボラのような統率された軍事組織に発展させることを目的に、一度に20人から60人を訓練していると主張。大半が、シーア派のムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師派民兵組織マフディ軍(al-Mahdi army)を脱退した元戦闘員だという。

 米軍は、イラン政府上層部は同部隊のこうした活動を認識しているはずだとし、米国務省のショーン・マコーマック(Sean McCormack)報道官も、同部隊とヒズボラの関係については把握していると発言している。

 一方、イラン外務省のムハンマド・アリ・ホセイニ(Mohammad Ali Hosseini)報道官は、米側の主張を「事実の捏造だ」と一蹴した。(c)AFP