【6月3日 AFP】ナイジェリア南部の反政府武装勢力、ニジェール・デルタ解放運動(Movement for the Emancipation of the Niger DeltaMEND)は2日、4週間にわたり身柄を拘束していた石油採掘施設で働くイタリア人4人とアメリカ人、クロアチア人の計6人を解放し、石油施設への攻撃を1か月間停止することを発表した。

 MENDは報道機関にEメールを通じ、石油施設への攻撃停止とオルセグン・オバサンジョ(Olusegun Obasanjo)前大統領の後任として5月29日に宣誓式を終えたばかりのウマル・ヤラドゥア(Umaru Yar’Adua)大統領率いる新政権との対話の開始を要求した。

 イタリア外務省のスポークスマンは、「解放された4人は現在、シェブロン社(Chevron)によって保護され、健康状態も良好である」と発表。

 MENDは5月1日、Pennington川沿いで操業する米シェブロンの石油施設で6人を拉致し、直後に当時のオバサンジョ政権に混乱を招くことが目的であることを明らかとした。

 一方、南部で最も石油産業が盛んなポートハーコート(Port Harcourt)では1日夜、シュルンベルジュ社(Schlumberger)の作業員と見られる外国人4人が銃で武装したグループに拉致されている。外交筋によると、4人はそれぞれオランダ人、フランス人、英国人、パキスタン人であるという。

 ニジェール・デルタ(Niger Delta)では、過去24時間の間に少なくとも11人の外国人が武装グループにより拉致されている。また5月1日以降、同地域で拉致された外国人は約50人にも上っている。(c)AFP/Helen Vesperini