【5月29日 AFP】ベネズエラ政府は28日、ウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の関係を連想させるような映像を流したとして米CNNテレビを起訴した。さらに、チャベス大統領の暗殺をあおっているとして、ベネズエラのテレビ局「Globovision」も同時に告訴した。

 ウィリアン・ララ(William Lara)通信・情報相は、記者会見で、CNNを訴えた根拠について「チャベス大統領の写真とアルカイダのリーダーの写真を並べて放映した。チャベス大統領を暴力や殺人と結び付けようとしている」と説明した。さらに、「ベネズエラの抗議デモを報じる際、ニュースとは無関係のメキシコの映像を流した」としている。

 テレビ局「Globovision」の起訴については、前ローマ法王、故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)の1981年の暗殺未遂事件の映像を流して「チャベス大統領の暗殺を暗に促している」としている。

 一方、チャベス大統領に批判的な番組を放映してきたベネズエラの民放局「ラジオ・カラカス・テレビ(RCTV)」は、チャベス大統領により免許をはく奪され、28日午前0時に放映を終了した。同テレビ局は、54年の歴史を持つ。放映終了後、国営テレビ局「TVes」が発足し、教養番組を放送した。

 同テレビ局の閉鎖後、これに抗議する人々がテレビ局前などに集まり、デモ活動を繰り広げた。一部は警官隊と衝突した。(c)AFP